歯科コラム

インプラントには、「一回法」と「二回法」という術式があり、お口の中の症状に応じた術式で行われます。一回法とは、外科手術を一度だけ行う術式です。いっぽう二回法は、外科手術を二度行う術式で、当院ではより安全な「二回法」をほとんどのケースにおいて行っています。

次にインプラント手術の流れと治療期間について、二回法を例にとってご説明します。

①事前カウンセリング・・・インプラント手術は、受診したその日にいきなり行われるわけではありません。事前にじっくりとカウンセリングを行い、患者様のお悩みなどをお聞きします。

②お口の中の診察と精密検査・・・お口の中を診察し、現在のお口の中の状態を確認します。またレントゲン撮影やCT撮影、などインプラント手術に必要な検査を行います。

③治療期間や費用などの説明・・・検査結果に基づいた治療計画を立案し、治療期間や費用などについて説明を行います。

④歯石除去などの治療を行う・・・必要に応じて、歯石除去などの処置を済ませておきます。

⑤一次手術・・・インプラントを埋め込む部位に局所麻酔を打ち、麻酔が効いていることを確認して歯ぐきを切開し、インプラント体を埋め込みます。インプラントが正確な位置に埋め込まれたのを確認後、歯ぐきを閉じて糸で縫合します。

⑥結合期間・・・インプラント体と顎の骨がしっかりと結合するため、約3か月程度の安静期間に入ります。

⑦二次手術・・・インプラント体と顎の骨の結合が確認できたら、次は二次手術を行います。歯ぐきに麻酔を打ち、歯ぐきを少し切開してインプラント体の先端を露出させ、土台を立てます。この時、生じた歯ぐきの傷が治るまで、1週間ほど待ちます。

⑧人工歯の型取りおよび装着・・・セラミッククラウンなどの人工歯を作製するための型取りを行います。出来上がりまで2週間程度待ち、出来上がった人工歯を装着します。噛み合わせに問題がないかなどを確認し、問題がなければ治療を終えます。

⑨メンテナンス・・・術後はメンテナンスが大変重要になります。定期的なメンテナンスを受けながら、問題がないかどうかをチェックします。

インプラントは、入れ歯やブリッジと比べると治療期間が長くなることがデメリットのひとつです。部位により結合期間は異なりますが、下顎の場合はおよそ３～6か月、上顎の場合は６か月程度の期間を要することもあります。ただし骨の量が少ない場合、骨造成などの治療が必要になるため、治療期間はその分長くなります。