お口の中のトラブルは、歯に関することだけではありません。
最近では歯だけでなく、歯ぐきや歯を支える歯槽骨に起こる「歯周病」がよく目にすることでしょう。歯周病は虫歯と並んで歯を失う二大疾病と言われています。
歯周病は歯を支える組織に起こる炎症の総称ですが、その中には歯周炎もしくは歯槽膿漏が含まれています。この二つにはどのような違いがあるのでしょうか。
「歯周病」
恐らくこのワードを見たり聞いたりしない日はないくらい、歯周病と言う名前はよく知られています。
歯科医院でも「歯周病ですね」と診断される方も非常に多く、歯周病と言われて「それは何?」と思う方はあまりいないほど、歯周病の認知度は高まっています。今でこそ歯周病という名が知られていますが、かつては「歯槽膿漏」と言われるほうが多かったと思います。ご高齢の方は、どちらかというと歯周病よりも歯槽膿漏のほうが馴染み深いかもしれません。
しかし歯周炎と歯槽膿漏では進行具合で意味合いが異なります。
歯周炎の場合、前段階として歯肉炎があり、歯肉炎が悪化し始めた状態を意味します。歯肉炎は歯ぐきの腫れと出血が見られるものの、歯周ポケット数値は2~3ミリと正常です。
歯槽骨にも問題がない状態を言い、丁寧なブラッシングやクリーニングで改善が可能です。
そして歯肉炎が悪化すると、歯周炎へと進行してしまいます。歯周炎は軽度、中度そして重度に分類されます。
軽度歯周炎になると歯ぐきの腫れと出血に加え、歯周ポケット数値が4ミリ以上となり、歯肉炎に比べて数値が大きくなります。さらに中度になると歯周ポケット数値が大きくなる、口臭がきつくなる、歯槽骨と歯ぐきが下がって歯が長く見えるなど、歯周病の症状が顕著になります。
さらに症状が悪化すると、重度歯周炎になります。中度までの症状がさらに悪化し、歯槽骨は吸収されて歯がぐらぐらになり、膿が溜まって強烈な臭いを放つようになります。
歯槽膿漏は、字のとおり「膿が漏れる」と言うことであり、重度歯周炎のことを指します。つまり歯槽膿漏は、歯を失う最終段階なのです。
歯槽膿漏になると歯を残すことは大変難しく、歯石除去や歯ぐきを切開して内部の歯石を取り除く外科処置などを行っても効果が期待できません。それだけでなく、歯周病菌が血管から体内に入り込み、他の前身の病気を引きおこす恐れもあります。
ひとことで歯周病と言っても、重度歯周炎つまり歯槽膿漏まで進行してしまうと歯を残すことが困難になってしまいます。
歯周炎は今では罹患率が非常に高く、年齢が高くなるにつれてその傾向は強くなります。軽度歯周炎であれば歯を残せる可能性は高いため、歯槽膿漏にならないよう、毎日のケアはもちろん、定期的な歯石除去やクリーニングの受診を心がけましょう。
当院では歯周病治療にレーザーを取り入れています。歯ぐきの炎症を改善し、出血を抑える効果があるレーザーを照射することで、腫れや痛みの少ない歯周病治療を行っています。本来であれば麻酔をして処置を行うような歯周ポケット(歯と歯ぐきの溝)の奥にある歯石の除去も、先端の細いレーザーを使用して、麻酔なしで除去が可能です。手作業では届きにくいところにある歯石も、レントゲンを見ながらしっかり除去することができます。また、レーザーで歯周ポケットを殺菌することで、歯周病の症状を改善させる治療も行っています。
医療法人社団デンタルケアコミュニティ
理事長兼西東京院院長
森村 新歯科医師
【経歴】
2003年 日本歯科大学 歯学部卒
大学病院で先進的な歯科診療を学び、その後、大学の研修施設でもある歯科医院で院長を務める。数々の医院にて一般歯科のほか、介護施設やご自宅に伺う訪問歯科まで数多くの経験を積み、2010年にフォレストデンタルクリニックを開院。
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休診日:水曜日、日曜日